定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2021年9月6日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
9月6日の週は、日経平均株価が9月6日始値の29,501円から9月10日終値の30,381円と580円上昇し、TOPIXが9月6日始値の2034ポイントから9月10日終値の2091ポイントと57ポイント上昇。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは9月7日始値の15375ポイントから9月10日終値の15115ポイントと160ポイント上昇し、上海総合指数は9月6日始値の3580ポイントから9月10日終値の3703ポイントと123ポイント上昇。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は3,010億円の2週連続の買い越し。
一方、個人投資家は5,805億円の3週連続の売り越し。GPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は2,120億円の2週連続の売り越し。
また現物株と先物合計の売買状況は外国人投資家は1兆586億円の3週連続の買い越し。
一方、個人投資家は5,210億円の3週連続の売り越し、信託銀行は517億円の2週連続の買い越し。
9月6日の週は、日経平均株価は週間で大幅に上昇。
新首相が打ち出す経済対策への期待や、新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にあることを背景に、米国株と比べて出遅れの見方から、日本株への資金流入が加速し、3万円台に乗った。
株価指数先物・オプション9月物の特別清算指数(SQ)算出に絡んだ売買で、海外投資家の買いが膨らんだ可能性があるという見方も出ているという。
来週以降も投資家動向や資金の動きをウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、9月第1週目が9月6日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。