定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2020年6月1日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
6月1日の週は、日経平均株価が6月1日始値の21,910円から6月5日終値の22,863円と953円上昇し、TOPIXも6月1日始値の1563ポイントから5月29日終値の1612ポイントと49ポイント上昇。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは6月1日始値の9471ポイントから6月5日終値の9814ポイントと343ポイント上昇し、上海総合指数は6月1日始値の2871ポイントから6月5日終値の2930ポイントと59ポイント上昇。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は2613億円の2週ぶりの買い越し。
一方、個人投資家は2,980億円の3週連続の売り越し。GPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は24億円の4週連続の売り越し。
また現物株と先物合計の売買状況は、外国人投資家が8,433億円の3週連続の買い越し、一方、個人投資家は2,341億円の3週連続の売り越し、信託銀行は735億円の3週連続の買い越し。
6月1日の週は、経済底入れ期待で上値追いが続き買いが膨らんだ。また出遅れていた海外投資家が買い姿勢を強めてきていることも鮮明となった。来週以降も外国人投資家動向を中心に資金の動きをウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、6月第1週目が6月1日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。